あるくきんしれー。

【シャッフル論争①】横入れシャッフルは『悪』なのか?

こんにちは。今回は遊戯王界の5大(?)論争の1つ『シャッフル論争』についてです。

初回となる今回はその中でも賛否が分かれやすい『横入れシャッフル』に焦点を絞って書いていきます。

 

横入れシャッフルとは

『横入れシャッフル』は正式名称を『ファローシャッフル』と言います。デッキを2つに分け、2つの束のカードが交互になるように差し込み、合体させることで一気に混ぜ合わせるシャッフル方法です。

画像のようにデッキを置いた状態で行う場合や手に持って側面を上にした状態で差し込む場合があります。

 

なぜ横入れシャッフルは嫌われるのか?

そんな横入れシャッフルですが、数あるシャッフルの中でも特に賛否の分かれる方法であり、

『横入れシャッフルやめてください』というワードはTwitterや大会現場でも比較的よく遭遇します。

ではなぜ横入れシャッフルは嫌われるのかというと『カードやスリーブが痛むから』『なんか嫌だから』『デッキの中身が見られる』といった声が多いです。

デッキを横にした状態で一気に挿し込むため、スリーブの縁という弱そうな部分に負荷がかかり、スリーブの破損やカードの傷に繋がるのではないか?という主張ですね。

また、手に持って横向きで差し込む場合は角度によっては中身が見えてしまう可能性も否定できないので、それが嫌だったり、そもそも自分のカードを乱暴に扱われている気がする、というイメージから不快感を感じる人が多いです。

 

競技プレイヤーが横入れシャッフルを好むワケ

横入れシャッフルは大会に参加する競技プレイヤーに好まれており、ガチプレイヤーが集まるCSでは日常的に行われています。

よって『横入れやめてください』問題が発生するのはカジュアル寄りのプレイヤーも参加するショップ大会や公認大会だと認識しています。

シャッフルはカードゲームをやる上で避けてはならない行為ですが、なぜその中でも横入れが好まれているのでしょうか?

 

シャッフルにはヒンドゥーシャッフルやディールシャッフル等様々な方法があります。しかし、どれが最も良いというわけではなく一長一短なのです。

ヒンドゥーシャッフル

日本でトランプ等で一般的に行われるシャッフル。山札を2つに分け、下の山を上の山に移動させることを繰り返し、山札の中身を混ぜる方法。

・ディールシャッフル

山札を一枚ずつ並べ、6つや8つ等の山に分かれるよう配る方法。

ヒンドゥーシャッフルは馴染みが深く簡単な方法、かつデッキをしっかりと握ってシャッフル出来るのでデッキや中のカードを落とすリスクが少ないメリットがあります。しかし、シャッフルの効率で考えると、混ぜている感じはしても中身が固まった状態で移動するだけなのでシャッフルに求められるランダム性の創出を行おうとするとかなりの回数を求められます。

 

ディールシャッフルはデッキのカードを1枚ずつ配り、1枚1枚をバラせるため十分にシャッフルができよく混ざるのですが、40枚のデッキを1枚ずつ配る工程の多さが手間であるため、1シャッフルを成立させる上で時間が非常に掛かってしまいます。

 

一方で今回議題としているファローシャッフル(横入れ)はディールとヒンドゥーの中間のような方法であり、デッキ同士を差し込むという1行程で固まりの解消と位置の分散を同時に行うことができます。

1回だと十分ではありませんが、1行程が1瞬で終わるので複数回シャッフルしやすく、ヒンドゥーのような別の簡単な行程も混ざることで短時間でシャッフル効果が得やすいのです。

 

競技シーンであれば競技優先で考えるべき

先ほど言ったように横入れシャッフルは効率的かつ、短時間でデッキを混ぜられるシャッフル方法です。

決してカードを傷めつけてやろう、みたいな嫌がらせ目的でやっているわけではありません。現代遊戯王はデッキ内のサーチ回数が多く、その分ゲーム中のシャッフル回数も必然的に増えてしまいます。選んだシャッフルの方法によって無駄に消費してしまう制限時間に差が生まれます。

ファロー(横入れ)は5秒程度、ディールだと30秒程度のイメージです。やはり競技的にカードゲームを取り組むのであればこのシャッフルによるロスタイムはなるべく少ない方がいいですよね。

そもそもシャッフルはお互いを信頼するための行為なので、相手を信頼するためにもしっかりシャッフルを行い、フェアなゲームを心がける。そして、無駄な制限時間の消費を避けしっかり試合に集中することが重要ではないでしょうか?

 

友達同士で遊ぶのであれば横入れシャッフルはやめた方がいいかもしれませんが、大会のような競技シーンであれば競技を最優先で考えるべきで、『カードが痛むから』みたいなのはお門違いな気がします。

実際問題、スリーブが痛む可能性やカードに負荷がかかる可能性がゼロでは無いとは思いますが、そこと競技のどちらを優先するか?というのは個々のプレイヤーカテゴリーによってズレが生じるのかな、と思いました。

 

プレイヤーカテゴリーについて説明した記事はこちら

aruku-kinshirei.hatenablog.com

 

横入れ否定派の人に受け入れて欲しいこと

『横入れやめてください』という主張はするな、とは言いません。大事なカードですし、嫌なものは嫌でしょう。そこを競技勢のエゴで押し付けるのが正しいとは思いません。

しかし、もし横入れを拒否するのであれば、その場合しっかりシャッフルするためにはディールシャッフルをしなくてはいけませんからサーチする度にディールシャッフルを自分がする羽目になることは覚悟するべきだと思います。

 

横入れシャッフルは嫌われる理由があり、嫌がる人がいるのも納得できます。

身内でわいわい対戦する場であり、お互いを信頼した上で対戦するのであれば横入れシャッフルをやめてくれ!という主張も全く問題ないです。

しかし、大会の場であれば競技を優先して考えるべきで互いを信頼するために行うシャッフルの方法を制限するのではあれば、それ相応の努力を自分もするべきなのかなと思いました。

 

横入れをする人が気をつけること

本記事では横入れシャッフルを正当化しています。競技シーンであればやはり競技的に考えて良い選択をしていくべきだと考えているからです。しかしだからと言って無理やり押し通しても良いわけではなく、実際にカードが傷つくとか中身が見られているような気がする人はいます。

そのため横入れが合理的な選択だったとしても、横入れシャッフルをする側も配慮していかなければいけません。

出来るだけ相手のカードを優しく扱うことや、相手が不信感を感じないシャッフルを心がける。そんなスマートな横入れシャッフルが出来たら良いですね。